CoderDojo Advent Calendar 2021
2021年はCoderDojo青梅のイベント初開催の年である。そして今日までに15回イベントを開催し、累計121名(参加者56名)のニンジャと楽しい時間を過ごすことができるに至ったことを報告する。そして最も大切なメンター5名(~9名)の支援があっての成功体験である。
目次
序章(始めるきっかけ)
都心で働く人にとって通勤は人生における苦痛である場合が多い。満員電車や通勤時間、まれに起きる運行遅延。僕の場合は、片道の通勤時間が約2時間であり、往復4時間が苦痛。一ヶ月に19日通勤した場合で年間912時間。一日24時間だから年間38日間も通勤に時間を使っていることになる。ちなみに15年通ったので570日間!! 僕の人生のうち1年半が通勤に使われている計算になる!! よく、通勤時間は読書とかすればいいじゃんっと言われるが、仕事が終わって夜22時過ぎに帰宅して寝るのが夜1時、朝の電車は座りたいから朝早い6時の電車に乗るため5時半には起床する生活なので、足りない睡眠時間は電車で爆睡なのである😴
パンデミックによって在宅勤務は働き方と共に僕の人生を大きく変化させた。仕事では会議室間の移動時間が無くなり、アポイントメントも取りやすく1日の会議件数が2倍くらい増えた印象で、凄いときは朝から晩まで1時間おきに別の会議がびっしりと5~6個なんて日もある。残業が減って、通勤時間も無くなって、少なくとも毎日4時間は自由な時間を獲得することができたわけで、この苦痛だった通勤時間を使って何か新しいことを始めようと決心した。何をする? そうだ、今までに出会った多くの人から様々なことを教わったお礼に、今度は地域のみんなにボランティアで恩返しをしよう。唯一、継続的に自分のできるパソコン関係💻が良かったのだが、自分が住んでいる青梅市では希望のボランティアは見つからなかった。
CoderDojoに出会い、近隣のDojoにメンターとして参加した。ソーシャルディスタンスとか騒がれていた時世なので、オンラインで初めてのご挨拶である。知らない人に出会うのでドキドキ。2~3回、お試し参加してScratchでのプログラミングを楽しむことや教えることはできるようになった。メンターとの運営相談が大切で楽しい時間であることもわかってきた。運営にもっと関わりたいと思い開催報告のブログ担当をしばらく続けた。他のDojoのWEBサイトを巡って、各Dojoがそれぞれ独自の内容でイベント開催していることを理解した頃、やっぱり地元の青梅市の子どもたちの役に立ちたいと考えるようになり、自分でDojoを立ち上げる申請を行った✨
幻の第ゼロ回開催(誰も居ないよ)
コロナ禍での申請は時間がかかるものであったがここでは省略する。新しいDojoとして承認されたCoderDojo青梅(*1)にはチャンピオンただひとり。ボランティアといえばNPOと勘違いしている僕は勇気を出して青梅市内のNPO法人を訪問し、青梅市でプログラミング倶楽部を立ち上げる提案をした。NPOといのがボランティアをする団体ではなく、非営利で事業をする法人(つまり会社)だということを理解するのは1年後になる。NPO法人との具体的な取り組みを協議検討する間に、並行してITエンジニア向け勉強会開催を支援するConnpassサイトを利用させていただき、およそ1ヶ月先にCoderDojo青梅を主催するイベントを投稿した📃。毎日ソワソワしながら参加申込メールが届くのを楽しみにしているが、いつまでもメールが届かない。ついにはイベント開催当日になってしまったが参加者はゼロ。誰も居ないよ~と嘆く…😭。この頃、たまたま会社の同僚と会うことがあってボランティアを始めたことを伝えると、同僚のヤマさんが受付程度なら手伝うよと言ってくれたので最初のメンターが決まった。ドラクエ風に「🙆♂️ヤマさんが なかまに くわわった」的な効果音🎵が流れていたかも。ててて↑ててて↑て~♪ ここまで2020年11月と12月の2回とも参加者はゼロ。
*1: 正式名は“CoderDojo OME, Tokyo @ City Welfare Council”と記す
地域イベントに協賛
📧NPO法人から誘いのお知らせが届いた。 毎年、青梅市が開催している様々なイベントが中止になっているが、子供達のふれあいイベントはオンライン開催を検討しているという。オンラインCoderDojoなら近隣のDojoで経験しているので、きっと出来ると喜んで協賛を申し出た。イベント内容は親子で一緒にプログラミングを体験するワークショップ、Youtube配信📺もするという。そして本番イベントの前に、1回お試し会をやろうと1月にプログラミング体験会を開催。NPO法人の放課後の居場所に普段から集まる子供たちやNPO法人のスタッフご家族にも協力いただき、小学4年生以下9名のニンジャが参加してくれることになった。参加してくれるニンジャの半分以上がScratch初体験なので、近隣2箇所のDojoのメンター5名にも応援に駆けつけていただき全部で6組のZoomブレークアウトルームに分かれてScratchで作品制作を行った。プログラミングを遊びながら。記念すべき第1回🔰CoderDojo青梅の開催は3連休のど真ん中の日曜日だったが、多くのみなさまに集まっていただき楽しい時間を過ごすことができた。
子どもふれあいフェスタ2020 本番である。参加者の受付はNPO法人で行うので、申し込み状況を随時確認することができず不安だったが最終的にScratch未経験の小2から小3までの7組の親子が参加申し込みしてくれた。まだまだ未熟な青梅Dojoのチャンピオンなので、今回も近隣2箇所のDojoからメンターがなんと10名も応援に来てくれたのでニンジャ1人にメンター1人以上の手厚いサポートでプログラミングワークショップを楽しむことができた。これが第2回開催。そしてこの勢いで、3月のイベントにもお誘いを受けての開催に繋がります。
青梅市教育委員会主催 家庭教育講演会 親子でチャレンジScratch, 講師 鹿野市郎氏(CoderDojo青梅)ほか。凄い見出しである。ここで勢いよく、市内の小学校に講師の名前が入ったチラシを配布して頂けたので定員20名を大幅に超過した35名の応募あり。定員超過者には申し訳ないと思いつつ4月以降のイベントに参加いただくお願いをすることになった。3月は小学2年生から5年生までの18家族20名以上のニンジャが参加してくれた😅。親を合わせると40名以上になると思われる。しかし問題が発生。今回も近隣のDojoメンターに助けてもらうとお願いに行くが3月は予定ある人多し。別の近隣Dojoにも打診し、なんとかメンター1人に対し小2~3の未経験ニンジャは同時に2~3人を担当し、小学4年生は同時に4~5人を担当することで調整。参加者の半分以上はScratch未経験との事で、みんなで同じ「☁くものアスレチック」を制作することにした。「くものアスレチック」は少ないプログラム(ブロック数)だけど、アート、アニメ、ゲームの3つの要素が詰まっている。子供たちが作った作品はどれも異なる色やレイアウトなので作品発表も楽しい。そして大人数なので、Zoomの画面に参加者全員が収まらず2画面に渡って会話するなど、とっても賑やかで印象的なイベントになった。
単独初開催は4回目
初めてCoderDojo青梅のメンターだけで開催したのが第4回。3月に定員超過した15名が4月に参加してくれるのかと思いきやニンジャ6名の申し込み。ここまでに新しく2名のメンターが、1月に「🙆♂️トリさんが なかまに くわわった」ててて~♪ 3月に「🙆♂️ハヤシさんが なかまに くわわった」ててて~♪ そして一番嬉しいことが、これまでに参加してくれたニンジャのうち4名が常連になって毎月修行に来てくれるようになったことである。2020年の11月と12月で募集したConnpassの申込数ゼロに続き、やっと参加者からの申し込みメールが届くようになり、そして順調に参加者が増えて行くとばかり予想していたが、5月開催からニンジャは毎月2名、3名、4名とこじんまり開催が続き、7月におおっ7名、8月が8名、翌月11名、7名、12名、そして12月13名とだんだんと安定した参加数になってきた。
低迷していた5月頃は、もっと多くの子どもたちにCoderDojoを無料で開催していることを伝えたくて、同じ頃にCoderDojoを立ち上げたチャンピオンさんに相談してみたり、アドバイス頂いた通りにアピール活動したり、様々な広報活動に取り組んだ。例えば、市議会議員さんにお願いして小学校にチラシを配布してもらうとか、青梅市広報誌のお知らせ募集欄に記載して頂くとか、TwitterやWebサイトでデジタル広報や検索SEO対策するとか、様々なことにがんばってみた。さらなるメンター「🙆♀️なつみさんと🙆♂️しんくんが なかまに くわわった」「🙆♂️ビリーと🙆♀️ミスミも なかまに くわわった」ててて~♪
大切にしている事がある。ニンジャには、プログラミングを遊びながらいつの間にか学習もできているという雰囲気を作ること。遊ぶというのが難しくて、興味がないと来てくれなくなるし、面白いのは最初だけで複雑なプログラムになると興味を示さなくなるし、プログラミングで遊びを維持するのが難しかったりする。6ヶ月以上ずっと参加してくれるニンジャは6名くらいだ。1回だけお試し参加というニンジャもいる。保護者と会話やアンケートで質問してみると発達が遅いとか学校に行けないことを乗り越えることを期待している場合もある。だからCoderDojo青梅では、オリエンテーション・ワークショップ・作品発表の3つを時間割とし、オリエンテーションでニンジャが飽きずに遊べるように毎回テーマを考えたり、ちょっとした小ネタを仕込んだりとイベントの運営をメンターのみんなと一緒に楽しんでいる。次回は何をして遊ぼうか、いつも考えている。
もっと大切にしている事もある。それはメンターとのコミュニケーションであり、出来る事なら一生の仲間になってくれることを願う。会社以外での人脈というのは、当然だけど会社では得られない経験や知識を習得するとても有意義な機会である。数回のイベント参加では知る事のできないメンターさんの実はすごく良いところというのは、長く付き合ってみないと気づくことが出来ないとか、きっかけがないわけで、メンターの皆にも継続的に集まれる場所というのを大切にしたい。みんなでCoderDojo青梅の会則を作ったり、毎月のイベントテーマを考えたり、福祉センターに団体登録を申請したり、募金用の銀行口座をつくったり、このような運営はメンターで手分けしている。自分の役割があるというのは、自分の居場所が認められているという感がある、と僕は思う。メンターとの運営会議(水曜夜21時)は、ほぼ毎月開催している。土曜日午前中のプログラミング勉強会も月イチ程度。LINEなどのSNSは作っていないが、Slackで連絡はできる。オンライン担当メンターは、ニュージーランドのもうすぐ大学生、バンクーバーの大学生、アメリカ東海岸の高校生も時差と距離を乗り越えてグローバルから青梅市の子どもたちを応援するために参加してくれている。
そして現在
先日12月12日に開催した第14回からしばらく、午前と午後の同日2回開催とする。CoderDojo青梅がスタートしてから今年1年間の結果は合計15回のイベントを開催したことになる。午前と午後を分けた理由は、青梅市で活動する財団法人のIT系学習塾があって、そこの修了生が継続的に学習できる場所作りもしようと始めたのだが、これまでの開催とメンターとの会話で確立してきたCoderDojo青梅の運営方針「一、遊びながら学ぼう。二、初心者/未経験者歓迎。」とやや合致しない部分があるので当面は分離して様子見としている。さて、ここまで1年間振り返ってみて、そして確立してきたイベント運営をあらためて整理するとCoderDojo青梅の紹介は下記の通りとなる(Connpassでの募集時に紹介している文面のまま)。
CoderDojo 青梅で学べること
子どものための無料で参加できるプログラミング倶楽部です。 東京都青梅市周辺の地域に根差した活動をします(東京都最西端です)。 プログラミング初心者~初級向けのテーマであり、希望者には、個別&事前に簡単な操作方法のレクチャーもしています。
本会の基本方針は『遊びながら学ぼう』です。 子どもたちには、基本、自由に自分の興味がある作品をつくってもらい、その作品を発表できる場所にします。 何をやればいいのか悩んでいる子どもたちは、みんなで共通のテーマに沿って作品づくりをしましょう。
時間 | プログラミング対象 | 必須持ち物 |
---|---|---|
午前 AM | 初心者/未経験者向けScratchプログラミング | ノートPC、電源、マウス |
午後 PM | ラズパイ電子工作とHSP3プログラミング | ラズパイ一式(*1) |
*1: IT未来塾で使ったラズパイ、マイクロSD、DC電源、キーボード、マウスを持参ください。ディスプレイのみ貸出します。
終章(振り返ったら凄かった)
いつもイベント運営に参加しているメンターの皆さま、心から感謝しています、ずっと、ホントに。青梅市で、本会に賛同してくれた地域の皆さまの共催、ご支援により運営ノウハウを得ることができたこと感謝いたします。近隣CoderDojoの皆さま、全国のCoderDojo関係者の方々、ご支援ありがとうございます。そして主役のニンジャ56名と保護者の皆さま。振り返ってみると、凄いことに200人かそれ以上の方々に出会うことができました。これからもずうっと遊びながら活動します。
お世話になっている皆さま(Special Thanks)
- CoderDojo 青梅: ヤマ、トリ、ハヤシ、なつみ、しんのすけ、ビリー、ミスミ、ひわたし
- CoderDojo 立川: いのっち、旧つきだ、たけのこ、うめだ、おが、タスタス
- 一般社団法人CoderDojo Japan
- 特定非営利活動法人 青梅こども未来
- Rainbow Room 青梅市フリースクール
- 東京都青梅市社会福祉協議会(青梅ボランティア・市民活動団体)
- — その他のCoderDojoの皆さま —
- kitaさん/石原さん(調布)、たじまさん(飯能)、とがさん(こだいら)、うちださん(倉敷)
CoderDojo青梅 参加者数
2021年12月17日 Advent Calender CoderDojo 2021